スマイルぷらすでは保育、教育、福祉、医療、様々な分野のスタッフが協働しています。いろいろなバックグラウンドを持つスタッフが、それぞれの個性を活かしながら重症心身障がい児、医療的ケアのあるお子さんの支援にあたっています。
スマイルぷらすは児童福祉法に定められた障害児通所支援事業になります。この障害福祉施設に働く職員は一様に福祉職員に位置付けられており、個々の職員の専門領域を持ちながらも、スタッフ全員が横並びの一支援スタッフとなります。
児童発達支援に関して国の基準省令を見てみると、「障害児が日常生活における基本的動作及び知識技能を習得し、並びに集団生活に適応することができるよう、当該障害児の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて適切かつ効果的な指導及び訓練を行うものでなければならない」と示されています。
医療職に関わらずすべての職員が基準に則って業務にあたらねばならないことが基本になります。下の図を見てみましょう。
あおぞら診療所の前田浩利医師の著書「小児在宅医療ナビ」の中に示されている図になります。職域による階層付けがされており、子どもたちの生活を考える上では非常にわかりやすく役割分担を示唆されていますよね。子どもたちの支援に関して社会性を身につけていくことが大切であると示されています。
わたしたちはこのピラミッドの一番上のところを担っているものだと認識しています。地域の資源に置き換えると、「生命の安全=病院・診療所」、「健康の維持=訪問看護・訪問リハや外来リハ」、「社会生活=発達センター・幼稚園・保育所・学校・障害児通所」になるものと捉えています。
わたしたちが担うのはやはり「遊び、出会い、外出、学び、仕事」という人間らしい部分を一緒に探索することなのだと思うのです。この場所を担うにあたっては、それぞれの職能の前に、わたしたちは子どもたちの社会生活を支援するひとりの福祉職なのです。
昨年の全国重症児デイサービスネットワーク全国大会において、あおぞら診療所ほっこり仙台の田中総一郎医師は講演の中で次のように述べられておりました。「医療の役割は下水道のようなものです。地中に埋まって目につくところには無いけれど、生活の中で無くては困るもの。医療の役割は目立たないところで生活を支えているもの、そういうものだと思うのです。」気遣い、配慮の精神は先生の優しい口調と相まって、会場にいた方の心の奥のほうまで届いたことと思います。
わたしたちは多くの方に励ましの声をいただきながら、スマイルぷらすとしての支援のかたちを模索してきました。往診や訪問看護の下支えを受けて、わたしたちは社会生活支援により注力しなくてはならないと考えます。ピラミッドの頂点を支える場所としてしっかり機能するように、すべての職員が協働して支援を行っていきます。