常勤の看護職が5人以上勤務し、年間15人以上の看取りを行うなど、国が定めた要件を備えた大規模な訪問看護ステーションが開設されているのは、設置の目安となる地域医療圏の約4割にとどまっていることが読売新聞の調査でわかった。
同ステーションは在宅医療の拠点として期待されているが、岩手、京都など9府県で設置届がなく、地域で偏在していた。
調査では、地方厚生局に情報公開請求をし、昨年10月1日現在で設置届が出された施設を都道府県ごとに集計した。集計によると、訪問看護ステーションは全体で8713施設あり、大規模ステーションは238施設が届け出ていた。
地域医療の単位として都道府県が定め、一つの市または複数の市町村で構成する「2次医療圏」で見ると、全国344か所のうちの131医療圏(38%)で1施設以上の届け出があったが、残りの213医療圏(62%)は設置届がなかった。人口に比べて病床数が少ない埼玉県のさいたま、川口の両医療圏はそれぞれ六つの大規模ステーションが稼働。一方、療養病床が多い高知、香川両県は届け出施設がなかった。大規模な訪問看護ステーションは、2次医療圏ごとに最低1か所はあるのが望ましいとされている。