厚生労働省は9月3日、「2014年度医療費の動向」を発表した。概算医療費の総額は前年度と比べ7,000億円増え、40兆円(前年度比1.8%増)に上り、過去最高額を12年連続で更新した。高齢化で治療を受ける人が増えていることが主因で、高度化する医療技術の進展なども影響している。
国民1人当たりの医療費は平均31万4,000円(同2.0%増)で、後期高齢者にあたる75歳以上では93万1,000円、75歳未満の21万1,000円の約4.4倍に上る。後期高齢者の医療費は14.5兆円で、全体の36.3%(同0.2ポイント増)を占めた。
医療費の内訳を種類別にみると、入院が全体の40.2%にあたる16兆円を占めていた。このほか、入院外が34.5%の13兆8,000億円、調剤が18.0%の7兆2,000円、歯科が7.0%の2兆8,000億円となっている。
この医療費は、診療報酬請求書を集計した速報値で、労災・全額自費の自由診療などの医療費は含んでいないことから概算医療費といわれる。